2026年5月27日 更新
累進課税とは
累進課税の意味、超過累進と単純累進の違い、日本の所得税7段階の税率表と計算のイメージ、メリット・デメリットを解説します。
累進課税(るいしんかぜい)とは、課税対象となる金額(所得など)が大きくなればなるほど、適用される税率が段階的に高くなる課税方式のことです。「稼いでいる人ほど、より高い割合の税金を納めてね」という仕組みで、貧富の格差を縮小し、社会全体で富を再分配する(所得再分配機能)ために導入されています。
累進課税の種類
大きく分けて2つの方式がありますが、日本の所得税などは一気に税率が上がるわけではない「① 超過累進課税」を採用しています。
① 超過累進課税(日本で一般的)
一定の金額を超えた「超えた分の金額」に対してだけ、高い税率を適用する方式です。例:所得が上がったからといって、全体の税率がドカンと上がるわけではないため、「増税のせいで手取りが逆転する」ということは基本的に起きない仕組みになっています。
② 単純累進課税
全体の金額が一定基準を超えたら、その金額「すべて」に高い税率を適用する方式です。現在、日本の主要な税制では採用されていません。
日本の所得税の税率構造
日本の所得税(超過累進課税)は、現在7段階(5%〜45%)に分かれています。課税される所得金額(年収そのものではなく、諸々の控除を差し引いた後の金額)に応じて、以下のように税率と控除額が決まっています。
・195万円以下:税率5%、控除額0円
・195万円超〜330万円以下:税率10%、控除額97,500円
・330万円超〜695万円以下:税率20%、控除額427,500円
・695万円超〜900万円以下:税率23%、控除額636,000円
・900万円超〜1,800万円以下:税率33%、控除額1,536,000円
・1,800万円超〜4,000万円以下:税率40%、控除額2,796,000円
・4,000万円超:税率45%、控除額4,796,000円
【計算のイメージ】
例えば、課税所得が700万円の人の場合、700万円全体に23%がかかるわけではありません。195万円までの部分⇒5%、195万円〜330万円までの部分⇒10%、330万円〜695万円までの部分⇒20%、695万円を超えた5万円分⇒23%。
これらをバラバラに計算するのは大変なので、実務では「700万円 × 23% − 控除額636,000円 = 974,000円」というように、上記の表の「控除額」を使って一発で計算できるようになっています。
メリットとデメリット
メリット(社会的な視点)
格差の是正:高所得者から多く徴収し、社会保障などを通じて低所得者に還元することで、格差の拡大を防ぎます。
支払い能力に応じた負担:経済的な余裕(担税力)がある人が、その能力に応じて負担するため公平であるとされています。
デメリット(個人の視点)
労働や投資の意欲低下:「稼げば稼ぐほど税金で持っていかれる」と感じるため、働くモチベーションや日本国内での事業・投資の意欲を削ぐ要因になるという指摘があります。
ちなみに、日本の税金でも「住民税」は一律10%(標準税率)の「単一税率(フラットタックス)」ですし、「消費税」も一律10%(軽減税率は8%)の「比例税率」となっており、すべての税金が累進課税というわけではありません。